妻が勤める保育園で起きた「退職勧奨」――理不尽な圧力との闘いの記録 【その1】

これは、僕の妻に実際に起きた話です。
そして、現在も進行中の出来事です。
この先どうなるのか、僕たちにもまだわかりません。
けれど、同じように職場でパワハラや理不尽な扱いに苦しんでいる人が、
「泣き寝入り」ではなく「自分のために動くキッカケ」を掴めるように――。
そんな思いで、この出来事を記録に残すことにしました。
妻の仕事とこれまでの歩み
妻は保育園で看護師として働いています。
大学病院から転職しておよそ7年。子供が大好きで、子供達の笑顔・成長に支えられながら日々働いてきました。
4年前に次男を出産し、産休・育休を経て、現在も時短勤務を継続中です。
子育てと仕事の両立は決して楽ではありません。
それでも、園児のためにと、毎日一生懸命働いていました。
ところが、ある日突然、その努力を踏みにじるような出来事が起きたのです。
保育園に潜む「独裁の構造」
妻の勤め先の保育園は、理事長=園長=オーナーという構造。
つまり、経営から現場まですべてを一人の老人が握る、典型的なワンマン経営の保育園です。
80歳を超えてなお園長の座に居座り、あらゆる意思決定を自分で行う。
従業員の意見を聞くことはほとんど無く、「園長の言葉がすべて」。
その結果、園内は「イエスマン」ばかりになり、意見を言えば排除される…というか、意見を言うことさえ許されず、気に入らないものは排除されるという空気が出来上がっていました。
こうした環境が続けば、当然モチベーションは下がり、優秀な人材ほど先に辞めていく。
そして、新しい職員もなかなか定着しないとう負のスパイラル。
新卒者ももう4、5年は来ていなく、派遣会社でも「あそこはヤバい」と有名になりつつあるという。
僕は妻からその話を聞くたびに、
「どこもそんなもんだろう」
「嫌なら辞めればいい」
と軽く受け流してきました。
しかし、後になってわかるのです。
なぜ、退職者が異様におおかったかという理由が。
突然の「退職勧奨」
ある日の夕方、妻から一通のLINEが届きました。
「今日話せる?」
その一言で、ただならぬ空気を感じました。
そして帰宅後、妻の口から出た言葉に、思わず言葉を失いました。
「園長に呼び出されて、『会議に出ないのは社員じゃない。育児と介護に専念すべき。退職を勧める』って言われたの。」
退職勧奨――その言葉を聞くのは初めてでした。
調べてみると、こう説明されています。
会社が従業員に対して、自主的な退職を促す行為。
いわゆる”肩たたき”のようなものです。
つまり、解雇はできないが辞めさせたい時に行われる行為です。
しかも、その理由があまりにも理不尽でした。
- 業後の定例会議に出ていないこと
- 育児と介護に専念すべきだという謎めいた理由
- 新年度初頭に起きた小さなトラブル(後述)
いずれも「退職を迫る理由」としては筋が通らないものでした。
むしろ、子育て中の親(職員含む)をサポートするのが保育園のあるべき姿のはずです。
この瞬間、胸の中で何かが音を立てて弾けました。
まさに「はらわたが煮えくり返る」という感覚を、初めて実感しました。
夫、動きます。
これまでも妻の職場では、おかしなコトが起きていました。
園長の気分ひとつで人事が変わる。
気に入らない人は干され、いつのまにか居なくなっている。
そんな話を何度も聞いてきました。
でも、僕は「職場の事は本人に任せるべきだ」と思っていた。
家族として妻の話を聞くことはあっても、介入するつもりなんてなかったのです。
けれど、今回の件で限界を感じました。
妻の精神的な落ち込みは深く、食事ものどを通らないほどに。
このままでは本当に壊れてしまうと思いました。
僕はその日のうちに、妻の勤める保育園に向かいました。
保育園との初対面
対応してくれたのは副園長でした。
園長は不在で、「体調が悪そうだったので病院に寄っていると思う」とのこと。
僕は敵意を出さずに、冷静に話しました。
「妻が急な退職勧奨を受け、精神的に不安定になっている。家族として経緯と事実確認をしたいだけです。」と。
しかし、副園長は終始園長の不在のため内容は不明を繰り返すばかり。
話の途中で他の職員が来て、なにやらメモを見せて去っていく。
その様子を見て、園全体が園長の”指令待ち”で動いていることがよくわかりました。
面談の結果、その日は「改めて園長との話し合いの場を設ける」ということで終わりました。
けれど僕の中では、もう決意が固まっていました。
「このまま絶対に終わらせるつもりはない」と。
今後のために記録を残す
妻の体調と名誉を守るために、すぐに録音・記録を徹底することにしました。
園とのやり取り、職員とのLINEやメール、面談内容――すべてを記録しておく。
これは感情的な復讐のためではなく、事実を残すためです。
なぜなら、パワハラや退職勧奨は、証拠がなければ立証が難しいとわかったからです。
理不尽な対応を受けた時、「言った・言わない」で終わらせないために、小さなことでも記録することが大切なのです。
おわりに――同じように悩む人へ
この話は、まだ終わっていません。
今も妻は戦っています。
そして僕も、夫としてできる限りのサポートを続けています。
保育園という、子供を守る場所で働く人たちが、逆に傷つけられている現実。
それを知ってほしい。
もし、同じような状況で苦しんでいる人がいたら、どうか「我慢」ではなく「行動」を選んでほしい。
相談すること。記録を取ること。そして自分を守ること。
それが、次の一歩へつながります。
次回予告
次の記事では、妻が園長と園長室で話された内容を精査していきたいと思います。
どんな内容だったのか、退職勧奨の理由についても整理していきたいと思います。
そこから物語は、大きく動き出します――
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