【実話】保育園からの退職勧奨とパワハラ——妻が弁護士からの呼び出しを受けた日【その5】

これは、僕の妻に本当に起きた話です。
そして今もなお、進行中の出来事です。
この先どうなるか、僕たち自身にもまだわかりません。
前回の記事では、園長との面談後に行われた幹部会議で語られた驚くべき内容についてお話ししました。
今回は、その10日後に起きた「弁護士からの呼び出し」と「夫宛の通知書」について書いていきます。
副園長からの呼び出しと弁護士面談の要請
園長との面談以降も、妻は保育園への出勤を続けていました。
園長の思い通りに退職するのは悔しい——その一心で、必死に踏ん張っていたのです。
しかし、無理をしているのは誰の目にも明らかでした。
僕自身も、そして子どもも、妻の変化に気づいていました。
出勤前、涙を流しながら支度をする母の姿に、子どもは心配そうにこう言いました。
「ママ、もう頑張らなくていいよ。」
それでも妻は、「ここで負けたら何も変わらない」と自分に言い聞かせ、出勤を続けました。
そんなある日、副園長から突然の呼び出しがありました。
そしてこう告げられたのです。
「〇日の▲時、時間取れますか?弁護士との面談をお願いしたいのですが。」
弁護士との面談。
その言葉だけで、妻は恐怖を感じたと言います。
副園長にはすぐに返答せず、「少し考えさせてください」とだけ伝えましたが、保育園側の圧力の強さを感じざるを得ませんでした。
どうやら保育園としては、弁護士と妻を二人きりで面談させ、退職に追い込みたいという狙いがあったようです。
夫宛に届いた弁護士からの「通知書」
奇しくもその日、僕のもとにも一通の書面が届きました。
差出人は——妻の勤務先の「顧問弁護士」でした。
封を開けると、中には「通知書」と書かれた文書。
内容を一言でまとめると、
「あなた(夫)は当事者ではないので、介入しないでください。」
というものでした。
つまり、僕が妻を支える行動そのものに対して「黙れ」と釘を刺す内容だったのです。
妻ではなく、夫である僕宛に送られてきたこと自体、異例だと思います。
それだけ園長は、僕の存在を疎ましく思っていたのでしょう。
しかし、僕が介入したのには理由があります。
最初の退職勧奨の際、園長自身が「ご主人と相談して決めてください」と言っていたのです。
それなのに、今になって「口を出すな」とは、あまりに理不尽な対応です。
見えてきた保育園の意図
この一連の流れから、保育園側の狙いは明白でした。
弁護士を介して僕の関与を排除し、妻を一人にした上で圧力をかけ、退職に追い込もうとしているのです。
妻にとって「弁護士」という言葉自体が大きなプレッシャーです。
保育の現場で働く人にとって、法的な話し合いはまったくの異世界。
「何を言われるのだろう」「自分が悪いのではないか」と、恐怖でいっぱいになります。
案の定、妻もその知らせを受けて、夜眠れなくなり、食欲も落ちてしまいました。
精神的に追い込まれていくのが、目に見えてわかりました。
妻を守るためにとった行動
僕たちは冷静に話し合い、次の2点を伝えることにしました。
- 弁護士との直接面談には応じないこと
- すべて書面で対応してもらうこと
弁護士と一対一で話す必要はありません。
この対応により、時間を稼ぐことができました。
しかしその間も、職場での精神的な圧力は続いていました。
限界を迎えた妻と心療内科への受診
退職勧奨を受けてからも妻が通い続けたのには、明確な理由がありました。
それは、保育園側の不当な行為を記録し、証拠として残すためです。
「絶対に許さない。思い通りになんてさせない。」
その強い思いだけで、妻はこれまで頑張ってきました。
しかし、心も体も限界に近づいていました。
朝起きられない日が増え、動悸や吐き気に悩まされるようになり、僕はついに心療内科の受診を勧めました。
医師からは「急性ストレス反応」「抑うつ状態」と診断され、休養が必要だと言われました。
働く人を守るために伝えたいこと
妻のように、退職勧奨やパワハラに苦しむ方は少なくありません。
小さな職場では特に、上司や経営者の権限が強く、声を上げにくい現実があります。
でも、声を上げなければ何も変わりません。
そして、「弁護士」や「通知書」といった言葉に怖気づく必要もありません。
法的な手続きを取るのは、企業側だけではなく、働く側にもできることです。
僕たちは今も、この問題と向き合い続けています。
少しでも同じような状況に苦しむ人の助けになればという思いで、この記事を書いています。
次回予告
「パワハラ・不当な退職勧奨に遭ったとき、すべき行動と相談先」
退職勧奨を受けたとき、何を守り、どう動くべきか。
次回は、実際に僕たちが取った「具体的な行動」や「行政への相談方法」について書いていきます。
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